Netflix初アジア制作キッズアニメの挑戦
- 昭和から平成、そして令和へと時代が変わっていく中であらゆるものが変わり、時に姿を消していきました。
- 私が長く関わってきた「テレビアニメ」という映像コンテンツも時代と共に大きく変わり、あるものは姿を消してなくなり、
- 新たな形に生まれ変わる姿を間近に見てきました。
私は多くのテレビアニメを手掛けました。その多くはギャグをテーマにしたアニメです。
ボケが流れるように連発するアニメ。主人公の活躍にドキドキしながら失敗に笑えるアニメ。- そして時に心温まるストーリーも楽しめるアニメ。
私がこうして手掛けたテレビアニメにはひとつ共通点があります。- それは、子どもと親が一緒に笑って楽しめること。
- 昔のアニメの多くは子どもが楽しむものでした。
- お茶の間にテレビは1台しかなく、子どもが楽しむだけではすぐにチャンネルを変えられてしまいます。
ギャグアニメなんて尚更です。親にとっては有害コンテンツになりがちでした。
下ネタで子どもの笑いを取っても、きっと親には嫌われるでしょう。
親に嫌われないというよりも、親も一緒に楽しんでもらえること。
大笑いはしてもらわなくても、少しクスッとしてもらえるだけでいい。
子どもが観ているからテレビはあきらめよう。ではなく子どもが観ているテレビアニメを一緒に観よう。
そう思ってもらえるようアイデアを振り絞ってギャグアニメを作ってきました。
お茶の間にテレビが1台。晩御飯から寝るまでのひとときのやすらぎの時間。- そこに寄り添えるアニメでありたかったのです。
しかし、時代は変わりました。
子どもは子ども、親は親。観たいテレビ番組を録画していつでも観ることができます。
チャンネルも変わりました。ネット配信が普及しテレビ番組だけが選択肢ではありません。
デバイスも変わりました。スマートフォンで家族が別々のものを観ることができます。
こうした変化は良いことだと思います。お茶の間にテレビが1台。リモコンの取り合いなんて日常茶飯事。- 家族の誰かは観たい番組をあきらめていたでしょう。
でも子どもと親が一緒に笑って楽しめるアニメの需要は少しずつ減っているように感じます。- このまま時代の変化と共に消えていくかもしれません。
そこで作ったのが「恐竜少女ガウ子」というアニメです。- かつてお茶の間で子どもと親が一緒に楽しんでいたアニメを今の時代にどのように生まれ変わらせることができるのか?
昭和、平成の時代に愛されたギャグアニメを令和の時代に生まれ変わらせる挑戦。
Netflixと長きに渡り協力し続けてくれた制作陣と登場キャラクターたちに命を吹き込んでくれた声優陣。- 多くの仲間が共に挑戦しました。
大人になったあなたにも子どもと一緒に楽しむあなたにもちょっとクスッとしてもらえるように。
原作・監督 しぎのあきら